最近、コンピュータゲーム界隈でも大きな話題となっているジャンルの一つに、「インディーゲーム」というものがあります。
「名前は聞いたことあるけど、具体的にはどういうもの?」
「他のゲームとは何が違うの?」
などと、一言にインディーゲームといっても、イマイチ良く分からないという人もまだ多いはず。
いったいどういうものなのか?どんな魅力が人々を惹きつけているのか?今回は、そんな「インディーゲーム」について紹介していきます。
目次
「インディーゲーム」とは?
多くの場合、大規模なゲーム会社やパブリッシャー(ゲームの企画、宣伝を行う)からの資金的・技術的援助を受けずに、個人や少人数のチームで開発したゲームのことを「インディーゲーム」と呼びます。
とはいえ、一言にインディーゲームといってもその定義は実に曖昧です。人によっては、大手企業から発売されているビッグタイトル以外のゲームを「インディーゲーム」と呼ぶこともあるほど。
人がそのゲームを「インディーゲーム」と呼んでしまえば、それだけでインディーゲームとなってしまうこともあるのです。
さらに、近年では個人や少人数で開発したゲームに大手のパブリッシャーが宣伝として着くことも増えています。こうした動きには、市場経済におけるインディーゲームの影響力が大きくなってきていることも背景にあるとされています。
実際、インディーゲーム市場は世界的にも増加している傾向にあり、2024年現在でその市場規模は47.3億ドル(約7000億円)もあるとされ、2029年にはさらに約93.5億ドル(約1兆4000億円)にも増加していくと予想されています。
参考記事:インディーゲーム市場規模・シェア分析-成長動向と予測(2024年~2029年) Source: https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/indie-game-market
インディーゲームの魅力とは?
このように、世界中で多くの人々を魅了しているインディーゲームですが、その人気の理由とは果たして何なのでしょうか。
1.独創性・オリジナリティの高さ
個人、または少数で制作を進めるインディーゲーム開発者は、大手のように売上を優先する商業的制約が少ないため、自由なアイディアのゲームをつくることができます。
大手のゲーム会社はその開発に数十億~数百億という膨大な費用を掛けているため、その額に見合ったゲームの売上というものを気にせざるを得ません。そのため、ゲームの内容自体も万人受けするジャンルや表現ばかりになってしまいます。
一方、小規模なインディーゲームでは開発費用も少なく済むため、そこまで売上を気にする必要もありません。そのため、収益やトレンドに囚われない、自由で独創的なアイディアをゲームに取り込んでいくことができます。
また、少人数だからこそ意思決定が速く、柔軟に方向転換できるのも、独創性・オリジナリティの高さの理由です。
2.低価格かつ高品質なゲーム
少ない費用で開発されるインディーゲームは、大手のビッグタイトルと比べて価格が安く済むことも人気な理由の一つです。安いものでいえば、数百円のインディーゲームだって少なくありません。
また、低価格だからといって内容が不足しているということもありません。前述の通り、独創的なゲームを提供しているものも多く、今までにない斬新なプレイを楽しむことができます。こうしたことから、「コストパフォーマンスが高い」と感じるプレイヤーが多いです。
3.プレイヤーとの距離が近い
ゲームをプレイしている際、「ここをもっと改善すれば、もっと面白くなるのに」と思うことがあるでしょう。そんなあなたの声も、インディーゲームであれば届くかもしれません。
インディーゲーム開発者は、SNSやコミュニティで直接プレイヤーと交流しているケースが多く、ユーザーの声が反映されやすいです。また、小規模チームのため、アップデートや修正も柔軟に行われることが多いです。
そのため、ゲームをプレイしたあなたの意見が開発者に届き、さらにゲームを面白くしていくことも可能となるのです。
人気なインディーゲーム・有名なあのゲームも実は…
人を惹きつけてやまないインディーゲームですが、ここでは人気なインディーゲームを紹介していきたいと思います。
1.『UDERTALE』

UDERTALE(アンダーテール)とは、アメリカのゲームクリエイター『TobyFox』によって製作され、2015年9月15日にSteamで発売されたインディーゲームです。
ユニークで親しみやすいキャラクター、引き込まれる感動的なストーリー、場面を盛り上げる圧倒的なBGMなどが当時のネットで話題となり、全世界で500万本以上の売り上げを上げています。
また、現在ではSteamだけでなく、PlayStation4やNintendoSwitchでも遊ぶことができ、日本でも多くの人々に楽しまれています。
2.『Cuphead』
Cuphead(カップヘッド)とは、2017年9月29日に『StudioMDHR Entertainment』から発売された2Dアクションシューティングゲームです。
この作品の特徴は、なんといってもゲームの全てが1930年代のカートゥーンアニメ風に表現されていることです。それらはなんと、全てが手書きのセルアニメーションでつくられており、レトロで懐かしいタッチで描かれたアニメーションを見ているだけでも楽しい作品となっています。
実際のゲームプレイというと、可愛い見た目に反して、その実は高難易度2Dアクションとなっており、大量の雑魚敵や手強いステージボスなどがプレイヤーを苦しめてきます。まさに、ゲーマーとしての腕を試してくるような難しさといえるでしょう。
こちらはPCはもちろんのこと、現在はPlayStation4やNintendoSwitchでも遊ぶことができます。
3.『Minecraft』

Minecraft(マインクラフト)とは、2011年に発売されたサンドボックスゲーム。全世界で3億本以上売れ、最も売れたビデオゲームとして有名な言わずと知れた超大人気ゲームですが、実はこれも元はインディーゲームだということをご存知でしょうか?
スウェーデンのゲームクリエイター、『マルクス・ペルソン(Notch)』によって製作されたMinecraftですが、当時は一日40本売れるかどうかというほどでした。
しかし、ネット上で徐々に話題となっていくと、その創造的なゲームプレイに惹かれるユーザーも増え、また何度もアップデートを繰り返すことで次々と新要素を生み出していき、他のゲームとは比べ物にならないほどの自由なゲームとなって今日に至るまで多くのプレイヤーを魅了していきました。
参考記事:Minecraftが販売数3000万本をインディーズゲームから達成した過程とは?
まとめ
・インディーゲームとは、個人や小規模チームによって開発されたゲームのこと
・自由で独創的、低価格かつ高品質なゲームが多い。
・『Minecraft』のように、世界的に人気となったインディーゲームも存在する。
あなたがこの記事を読んで、少しでもインディーゲームについて詳しくなることができればとても嬉しいです。
インディーゲームでは、他のビッグタイトルとは違う斬新で今までにないゲームプレイが大きな魅力となっています。他のゲームでは味わえないインディーゲームだけの魅力を、あなたも楽しんでいきませんか?
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