2025年7月5日より放送を開始しているテレビアニメ『9-nine- Ruler`s Crown』が現在ネット上で話題となっています。アニメ好きであれば、一度はその名を聞いたこともあるのではないでしょうか。
魅力的なキャラクターに、豪華な声優陣。見る者をワクワクさせるPVと、これからの盛り上がりを期待させる夏覇権アニメ候補の本作ですが、あるノベルゲームが原作であることはご存知でしょうか?
有体に言いましょう。いま話題となっている本作ですが、実はとある人気エ〇ゲからアニメ化した作品なのです。
そんな、アニメ化するほどの人気美少女ゲーム『9-nine-』を今回は紹介していきます。
目次
『9-nine-』とは?
9-nine-(ナイン)とは、美少女ゲームブランド『ぱれっと』から発売されているシリーズ作品です。
第一作目『9-nine-ここのつここのかここのいろ』から始まり、第4作目の『9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと』で構成されるシリーズ作品。また、2021年に追加シナリオとなる『9-nine-新章』が発売されました。
【9-nine-シリーズ一覧】
Episode1『9-nine-ここのつここのかここのいろ』
Episode2『9-nine-そらいろそらうたそらのおと』
Episode3『9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ』
Episode4『9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと』
追加シナリオ:『9-nine-新章』
新章を除くそれぞれにメインとなるヒロインを一人定めており、同じ世界観、同じ舞台で異なるヒロインとの物語が展開されていきます。
ひとつひとつが個別に独立するストーリーとして描かれているものの、やはり1作目から順番に遊んでいくことをおすすめします。
ストーリー紹介


今作の舞台となる都市・白巳津川市。観光客を呼び込もうと町興しに励んでいますが、どれも不発に終わっているらしく、学園都市である以外は何の特色も無い平凡な街でした。
そんなありふれた街で暮らしていた男子高校生・新海翔(にいみ かける)は、今日も一日なんの変哲もない普通の日常を過ごしていました。
しかし、白蛇九十九神社に祀られていた神器が破損してしまった事件をきっかけに、平凡な街の生活と彼の日常にも異変が生じてきます。
突如として街の人々のもとに現れてきた異世界の装飾品・アーティファクト。持ち主に不思議な力を与えるそれにより、異能に目覚めた少年少女たちが引き起こす様々な騒動に、翔もまた巻き込まれていきます。
キャラクター紹介
「異能力バトル」としてジャンル分けされる今作ですが、これからはそんな物語を彩る個性豊かな登場人物たちを紹介していきます。
新海 翔(にいみ かける)~ぶっきらぼう、だけど頼れる好青年~

CV:阿部敦
〈代表作〉
・『とある魔術の禁書目録』:上条当麻
・『アイドリッシュセブン』:逢坂壮五
・『Fate/EXTRA』:岸浪ハクノ
・本作の主人公。白泉学園に通う高校2年生。
・素っ気ない態度を取ることも多いが、根は責任感が強く他人想いな性格。
・実は身長が180㎝もある。けっこうデカい。
・彼自身もアーティファクトの所有者であるが、その能力はいまだ不明。

九條 都(くじょう みやこ)~清楚かつ可憐な王道美少女~

CV:福圓美里
〈代表作〉
・『スマイルプリキュア!』:星空みゆき/キュアハッピー
・『僕のヒーローアカデミア』:トガヒミコ
・『To LOVEる -とらぶる-』:金色の闇
・翔と同じ白泉学園に通う2年生。
・世界的に有名な企業の社長令嬢であり、誰にでも優しい絵に描いたような優等生。
・クラスメイトである翔のことをとても信頼しており、彼と共に街のアーティファクト探しをすることに。
・他人の所有物を奪う能力のアーティファクトを所持する。

新海 天(にいみ そら)~兄を振り回すブラコン妹~

CV:種﨑敦美
〈代表作〉
・『SPY×FAMILY』:アーニャ・フォージャー
・『魔法使いの嫁』:羽鳥チセ
・『響け!ユーフォニアム』:鎧塚みぞれ
・白泉学園1年で、天真爛漫な翔の妹。人懐っこい性格で誰とでも仲良くなれるフレンドリーな少女。
・いつも兄をからかって自由気ままに振舞い続けている彼女だが、その実は超がつくほどのブラコン妹。紙袋が有名。
・自身の存在感を消し、透明になれる能力のアーティファクトを所持する。

香坂 春風(こうさか はるか)~大人しい人格と女王様な人格を併せ持つ先輩~

CV:山岡ゆり
〈代表作〉
・『SHIROBAKO』:矢野エリカ
・『境界の彼方』:新堂愛
・『夢色パティシエール』:ショコラ
・白泉学園の3年生。翔の先輩にあたる少女。
・おどおどとしたおとなしい側面と、高圧的な女王様のような側面の二つを持つ二重人格者。
・実はかなりのオタク趣味であり、翔が家に置いている漫画は全て網羅している。
・その二重人格には、彼女の所持するアーティファクトに秘密がありそうだが…

結城 希亜(ゆうき のあ)~クールな一面と甘えたがりな可愛らしさのギャップ~

CV:藤田茜
〈代表作〉
・『エロマンガ先生』:和泉紗霧
・『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』:システィーナ=フィーベル
・『ウマ娘プリティダービー』:ナイスネイチャ
・他4人とは異なる、玖方女学院に通う2年生。街のアーティファクト所持者を探し出すため、翔たちと行動を共にすることに。
・アニメや漫画が大好きで、そのためか中二病的な言動が多い。
・彼女の持つアーティファクトは、「発動すれば絶対に負けない」と豪語するほどの強力さ。

And more…


魅力1:美麗・秀逸なイラストがたくさん
既にご覧いただいてきたように、9-nine-には綺麗で完成度の高いイラストが本当に多いです。
鮮やかで見ごたえのあるたくさんのイラストが、物語の迫力や臨場感をさらに高めてくれるため、どのシーンも見ていて飽きることがありませんでした。




そんな本作の原画を担当されているのは、イラストレーターの『和泉つばす』先生。
同じく「ぱれっと」から発売されている美少女ゲーム『ましろ色シンフォニー』の原画や、同様の美少女ゲームブランドである「Key」から発売されている『Summer Pockets REFLECTION BLUE』の原画を担当されている人気の絵師様です。
魅力2:キャラ同士の軽快な掛け合い
個性豊かなキャラクターが多く登場する9-nine-ですが、そんな彼らの掛け合いもまた本作の魅力の一つです。
心が軽くなる愉快な会話や、思わずニヤけてしまうような尊いシーン。あるいは、胸が熱くなる格好いい掛け合いから、涙を誘うような感動的な場面まで。
そのどれもがたいへん魅力的で、一つとして目が離せません。
魅力3:胸をえぐる絶望的な展開、最強のラスボス!
少しだけネタバレをしましょう。この作品、ヒロインが容赦なく死にます。
アーティファクトを巡る騒動のなかで、過酷な戦いは主人公である翔の大事な存在を、いとも容易く奪っていくのです。
特に、今作のラスボスにあたる存在に関しては、筆者も「こんなのどうしようもないじゃん…!」と幾度も心を折られました。あれほど残酷すぎるシナリオを描いたライター様には恐れすら感じるほどです。
そんな絶望的な展開のなかで、主人公もまた心を壊す描写もあります。それはそうでしょう、目の前で自分の愛する人たちが消えていくのを目の当たりにしていくのですから。
それでも、彼は諦めません。何もかもが失われてしまった状況で、彼の所持する未知のアーティファクトの能力が解放されるのです。
正直、めちゃくちゃ読むのが辛いシーンも何度かあります。
しかし、己の大事な人を救うために、たとえ幾度心が折れようとも、強大な敵に立ち向かい続ける主人公の姿というのは、本当に格好良く心揺さぶられるものです。
絶望的な展開と、それに立ち向かう主人公の格好良さというところもまた、本作では欠くことのできない魅力の一つなのです。
まとめ
いかがでしたか?
4作品でひとまずの完結となる9-nine-シリーズですが、1作目や2作目だけではまだ事件の真相に踏み込み切らず、物足りない感想となるかもしれません。
しかし、後半になればなるほど、物語はどんどん盛り上がっていきます。特に4作目である『9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと』なんてもう、胸がドキドキするような展開ばかりです。
また、「四つも買うのは面倒くさいよ~」という方には、なんと四作品+追加シナリオが全てまとめられたバージョンも現在は発売されております。
※注意・こちらのまとめ版は全年齢対象です!「Hシーンも見たいよー」という方は、今のところはFanzaで1作品ずつ買うしかないようです。
原作をプレイすれば、これから始まるアニメ放送をさらに楽しむことができるかもしれません。この機会に、是非とも『9-nine-』を遊んでみませんか?
あとがき・筆者の個人的感想
ここからは、筆者がネタバレありでゲームの感想を垂れ流していくだけのものです。未プレイの方はお気をつけ下さい。
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今作のヒロインズはどれも魅力的な子ばかり。そのなかでも筆者イチオシのキャラはやはり、『ゆきいろ』のメインヒロインたる結城 希亜ちゃんです。
前三作のなかでは、クールで中二病的な子という印象でしかなかったのですが、ゆきいろをプレイして「なんだ!?この甘えたがりな猫ちゃんみたいな子は…ッ⁉」と衝撃を受けてから完全に好きになりました。

クールで無表情な普段の姿。しかし、翔くんと二人っきりになった途端に、まるで良く懐いた子猫のように甘えてくるギャップが本当に素晴らしいです。
Hシーンの際も、他のヒロインズたちがそれぞれ、アーティファクトの能力を利用して当たらないようにしているのに対し、ノアちゃんだけは「翔との子供なら大丈夫」と迷いなく断言しているのもまた面白いです。どんだけ覚悟決まっているんだ、この子……。


しかし、それだけ好きになった反面、ノアちゃんを目の前で殺されたシーンや、与一に殺害されてとっくに事切れていた彼女に対面したときの絶望感はひとしおでした。
また、与一からヒロインたちを守るために、どんどん凶行に手を染めて段々とおかしくなっていく翔くんの姿もまた、本当に痛々しくて幾度も心折られました。正直、ゆきいろの後半はずっとお腹が痛かったですよ。あんなんどうすればいいの……。
そんな絶望的な展開が続くなかで、流石に翔くんも心折れたか…?と思っていたのですが、まだ彼は諦めていませんでした。あの状況からまだ立ち上がれる翔くん、精神強すぎです。


与一&イーリスとの最終決戦で今までのヒロインズ召喚のシーンは本当に胸が熱くなりました。
「俺がしてきたことは、なにひとつ、無駄じゃなかった」
翔くんが今までに他人に注いできた数多くの優しさを全て見てきた私たちにとって、それは本当に強く心に響く言葉でした。
些細な善意の積み重ねが、最終的に自分を支える報いとなる。筆者はそんな展開に弱いのです。本当に大好きなシーンの一つですね。

そうして、数多くの苦難と絶望を乗り越えた果てに得た本当のハッピーエンド。全てを終えて戻ってきた翔くんを、ノアちゃんは優しい笑顔で迎えました。
これだけ辛く苦しんできたのだから、翔くんには絶対に幸せになってほしいですね。

しかし、個人的な考えとしては、全てを覚えている状態の彼を、それでも最大限に幸せにしてあげることができるのは、やはり新章の覚醒みゃーこ先輩だと思うのです。
今のところ、翔くんの苦しみを分かってあげられるのは彼女だけです。あれだけ頑張ってきたのに、そんな奮闘を誰も知らないというのはちょっと悲しすぎませんか?
ここはシリーズ全体のメインヒロインとして、みゃーこ先輩には彼を幸せにしてやってほしいですね。
そうして、長くもあり短くもあった四部作を終えた後、もう一度「ここのつ」のOPを見に戻っていきました。いやぁ、感慨に浸れて最高です。
しかし、ここで疑問に思ったことが一つありました。ムービー冒頭に出てくる一つの文章のことです。
この世界は、キミを「 」した物語だった――
結局、この空白には何が当てはまるのでしょうか?ストーリーを進めているうちに分かるものかと思っていると、結局最後まで分からず仕舞いで終わってしまいました。
個人的には、幾重にも分かれる世界線・枝を選択してそれを行き来する翔くんの能力から、〈キミを「選択」した〉かな?と思っています。他の方の意見も聞いてみたいですね。
そんなところで、今回はここで筆を置かせていただきたいと思います。ここまで読んでくださった人には、本当に感謝申し上げます。ありがとうございました!
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